ドローン海外情報 溝部 公憲

【JDAメールマガジン第043号 2021年5月12日掲載】

[ドローンとゴミ]

米国サンフランシスコで、科学者チームがドローンを使ってゴミの検出を始めました。つまり、地域の水路のほとりに散らばっているプラスチックゴミの検出です。

ドローンで上空から撮影した画像を専用のソフトウェアで解析し、小川のほとりに落ちているプラスチックゴミなどの痕跡を探します。

そして、特定された場所に落ちているゴミは、海に流れてしまう前に回収されます。このシステムを使うと人がチームを組んでたまに水路を歩いてゴミを探すよりも、はるかに効果的です。

ドローンの導入で、より少ない人数でより広い範囲を迅速にカバーすることができ、それが時間とコストの削減につながります。

さらに、同じ場所を繰り返し検査することができます。これまでは年に1回、多くても年に2回しか監視できませんでしたが、ドローンを使えばもっと頻繁に監視することができ、何が起きているのかをより詳細に把握することができる訳です。

ドローンは約30mの高さから画像を撮影します。1回の飛行で比較的広い範囲をカバーすることができます。またこの高度は、分析しやすいシャープな写真画像を得るには、地面に十分近い距離です。

地球上の他の場所でも、科学者や環境保護活動家がドローンを使用して、海岸に散乱するゴミを収集したり、埋立地の地図を作成して残りの容量を計算したり、産業廃棄物を違法に環境に放出している工場を監視したりしています。

実はこの取り組みに近いことを、数年前五島列島の高校生らがクラウドファンディングで実施したことがありました。島の貴重な観光資源であるきれいな海をゴミから守りたい!という郷土愛から生まれたものでした。

「漂着ごみだけをテーマにした活動では、なかなか世間の関心を集めにくいが、近年話題のドローンと組み合わせれば、目新しさもあり注目度が高まるのでは」ということでプロジェクトがスタート。

ドローン協会は、高校生達や先生と話をして色々なアドバイスをしました。

ただこの時は、高校生もまだドローン初心者だったので、ドローンでゴミを収集するとかという高度なことは勿論できません。

それでも、ドローンで綺麗な海岸にゴミが一杯なところを空撮&配信して皆に知ってもらったり、ドローンレースを企画して多くの人々にこの活動に注目をしてもらったり、海岸のゴミを使ってART作品を作って展示して、観た人達に環境について考えてもらったりということはできました。

当時このイベントを企画した高校生はもう大学生です。

将来はサンフランシスコの科学者のように、高度な知識と技術で日本中のゴミを一掃してくれることでしょう。

大いに期待しています。

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