ドローン海外情報 溝部 公憲

【JDAメールマガジン第067号 2021年11月04日掲載】

今日はチェコのUAVメーカーが、1つのコントロールステーションから複数の無人航空機の飛行試験に成功したというお話しです。

飛行テストに成功したのは、先月10月20日のことです。

この無人航空機には、ソフトウェアおよびハードウェアレベルで複数の無人機を同時に制御できる高度な制御システムが搭載されています。

この機能は、飛行任務を遂行するために、複数の航空機を同時に操作する必要があるユーザーにとって役に立つものとなります。

一例としては、困窮している行方不明者を捜索するための救助隊と治安部隊にとって、とても役に立ちます。なぜならより多くの航空機を配備することで、必要なエリアを検索する時間を短縮できるため、支援をより迅速に提供できるからです。

単一の地上管制局からの制御により、高レベルの飛行安全性を維持することも可能となります。

飛行試験中に、二次レーダートランスポンダーを装備し、地上管制局から独立した相互位置追跡の能力を実証しました。今回のチーフパイロットであるRadekSukは、テストを次のように要約しています。

「 飛行機能の高度な自動化により、1人のパイロットによる複数の航空機の制御が可能ですが、この活動には当然のことながらより高いレベルの注意が必要です。単一の地上局から複数の航空機を制御する能力を検証することで、救助とセキュリティの展開に新しい可能性が開かれます。軍事ユーザーの場合、同様の機能で群れでの飛行が可能とないます」

要するに、民間および軍事作戦の両方で幅広い展開に使用できると言ってるわけですが、最後に話している「軍事の群れの飛行」とは、フォーメーション(編隊)飛行を指しており、軍事的にみた場合はすごい進化ですが、反面非常に恐ろしいことでもあります。

さて、このUAVの重要な特徴の1つは、その並外れた耐久性です。最大2,000 kmの範囲を表す100〜150 km / hの巡航速度で、15時間以上空中でノンストップで過ごすことができます。最大離陸重量が150kg、ペイロード30kgです。

このスペックを活かして、現在、エネルギー部門のパイプラインと流通ネットワークの検査、国境と沿岸のセキュリティの確保、火災の監視、または捜索救助活動のために3大陸で使用されているとのことです。

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