ドローン海外情報 溝部 公憲

【JDAメールマガジン第082号 2022年03月03日掲載】

大方の専門家の予想をも裏切って、ついにロシアがウクライナ侵攻に踏み切ったのは皆さんご承知の通りです。

ついには、核兵器を含む「抑止部隊」を「戦闘の特別態勢」に移すよう、軍に命じました。

この短期間のプーチン氏の行動をみると、「まさか核のボタンを押すわけがない」というのは当てはまらない気がするのは、私だけではないのではないでしょうか?

さて、ここは政治的考察をするところではないので、本題のドローンに戻ることにします。

このロシア VS ウクライナの戦いにも、ドローンは当然のごとく使われているということです。

有名なところでは、バイラクタルTB2というドローンです。

この機体は、トルコのドローンメーカーが開発した軍用ドローンで、横幅12メートル、全長6.5メートル、重量600キログラム。高度7000メートルを時速130キロメートルで飛行。飛行時間は最大27時間で、トルコ国防省によると、2019年11月イラクとの国境を越えてクルディスタン労働者党のテロリストを殺害するために使用されたと言われています。

ウクライナ軍は、2021年10月、トルコから調達したこの「TB2」を初めて実戦使用して、成果を上げています。

※このドローンを見たい人は、「Bayraktar TB2」でググれば写真や動画を見ることができます

ドローンを操縦するパイロットのいるステーションとドローンの間は、通信やデータリンクで結んでいるわけで、当然その通信を妨害することは考えますよね。

ロシア軍は通信やデータリンクの妨害を得意とする通信妨害車輌を保有しており、48時間で9機ものBayraktar TB2を無力化したと伝えられています。

こうなると次は、電子戦システム、レーダーや、指揮通信システムの破壊を行う使い捨てドローンを開発するわけです。いわゆるイタチごっこが始まるわけですが、なんとすでにウクライナのドローンメーカーはこれらを開発しています。

元々ドローンは軍事目的で作られた歴史からみると、これから先も軍事ドローンのさらなる開発は続いていくことでしょう。

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