ドローン×農業 日高 雄一郎
【JDAメールマガジン第060号 2021年9月8日掲載】
皆さんこんにちは。
JDAアグリフライヤー 認定教官 のJokerこと日高と申します。
先日、茨城支部の山中支部長から「前回散布した圃場、バッチリ防除できているよ!」と嬉しい報告があり、まずは一安心です。
さて、農薬散布機の講習時によくある質問のひとつが「なぜ講習時に時間を測るのか?」
今日はこの疑問にお答えしたいと思います。
まず、農薬ごとに決められた一定量を均一に散布する必要があります。
1フライトあたりの散布時間が遅くても早くてもNG、カメムシの防除にしばしば使われる「アミスターアクタラ」を例にすると、無人航空機による散布は「10aあたり800ml」と定められていますので、1分あたり400mlを散布できる設定にした場合に、800ml分を散布するには「2分」で散布する必要があるんです。
もう1点、農薬の散布は「早朝4時〜11時頃」までに終わらせる必要があります。
太陽が高くなった状態で散布すると作物に悪影響を及ぼす可能性があり、特定の場所に時間を要してしまうとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
時間どおりに散布するためにも、一定の時間できっちり散布することがとても重要になるのは言うまでもありません。
さらに散布効率を上げるために「チーム茨城」でも様々な工夫を行いました。
ドローンを「飛ばす」ところの短縮には限界がありますから、「飛ばさない」ところをいかに短縮できるかがかなり重要になります。
F1のピットでは短時間でタイヤ交換や燃料補充が行われますが、ドローンのピットではバッテリー交換や農薬補充時がまさにその場面。
「サポート」と呼ばれるピットワーカーが中心となって短縮できる時間をとことん縮めることで、その作業効率が2倍にも3倍にもなるんです。
JDAの農薬散布機講習は日々グレードアップしています。
ドローンビジネスシーンの「主役」のひとつ「農業」の世界で、ぜひ皆さんの技術を活かしてみてくださいね。