ドローンの安全管理 野崎 豊文
【JDAドローンマガジン 2022年8月28日掲載】
皆様、こんにちは!JDA九州/沖縄ブロック長のHustler(ハスラー)こと野崎です。
今回は、事故モデルの「スイスチーズモデル」について書いて行きたいと思います。
この、スイスチーズモデルなのですが、イギリスの心理学者で且つイギリスマンチェスター大学の教授であるジェームズ・リーズンが提唱した「事故モデル」となっており、安全管理において頻繁に引用されているモデルとなります。
このスイスチーズモデルは、事故は単独で発生するのではなく複数の事象が連鎖して発生するとしたものとなります。
無人航空機が空を飛ぶということは、毎回リスクが潜んでいます。しかし、毎回のフライトで事故があるわけではないですよね。それは、何かの要因が事故から守ってくれているのです。それを、ジェームズ・リーズンは「スイスチーズモデルのチーズ一枚一枚であり、その一枚一枚が防御璧となって、事故から守ってくれて
います。しかし、残念ながらこの防御壁は完璧なものではなく、所々ランダムに穴が空いてしまっているのです。」と述べられています。
航空機の安全対策では、スイスチーズが5枚使われています。
(1枚目のチーズ)
・意思決定・・・例えば、経営判断で経済性と安全のアンバランスによる失敗や事故の防御
(2枚目のチーズ)
・ラインマネージメント・・・つまり、管理・監督による防御
(3枚目のチーズ)
・現場環境による防御
(4枚目のチーズ)
・個人の行為・・・つまり、ヒュマンエラーを防ぐための防御
(5枚目のチーズ)
・システムディフェンス・・・システム的な防御
この5枚のチーズの穴が、一直線に揃ってしまったとき、危険因子が防御壁をすり抜けて重大な事故は起きてしまうのです。ですので、航空機の安全を考えるときには、この穴をできるだけ小さくして数を減らす、もしくは、それぞれの穴を塞ぐことが大事となります。
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それでは皆様、ご安全に!