航空豆知識とドローン 林 賢太

【JDAドローンマガジン 2022年9月11日掲載】

皆様こんにちは。JDA東京よりCO-PI(コーパイ)です。
今回の航空豆知識とドローンは、『航空機の衝突防止装置』というテーマで投稿したいと思います。まずはこちらの動画をご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=L2eJ0mPxweY (引用:Youtube)

上空を飛行中、右前方から他機が接近してきたため、「Traffic Traffic(付近に他機が接近中」という警報が鳴り、その後さらに接近して衝突の危険性が出てきたため、「Descend Descend(降下せよ)」という回避操作の警報が鳴っています。この警報に従いパイロットが機体を降下させましたが、降下量が足りなかったため、「Increase Descend(さらに降下せよ)」と警報が続けざまに鳴っています。最終的には衝突が回避されたため、「Clear of Conflict(衝突が回避されました)」というアナウンスが流れています。ぶつからなくて良かったですね(^^;)

これは、航空機に搭載されたTCAS:Traffic Alert and Collision Avoidance System(航空機衝突防止装置)という、レーダートランスポンダーを使った機能になります。上空を飛行する航空機同士は、レーダーを使ってお互いの機体情報、位置、速度、高度、針路などを自動で共有し合っています。このTCASが受け取った他機の情報をコックピットのモニターに表示させることで、パイロットは自機の周辺状況を認識することができ、接近・衝突の危険があるとシステムが判断した場合には、警報と共にパイロットへ回避措置を促すという仕組みになっています。

今年からドローンにも搭載が義務化(事前登録で猶予期間あり)された「リモートID」。現在は、所有者情報の読み取りが主な用途になっています。今後は航空機と同様に、他機の位置情報をリアルタイムで把握できたり、機体同士が直接通信をし合って衝突を回避したりするシステムになることが期待されています。