ドローンの安全管理 野崎 豊文

【JDAドローンマガジン 2022年9月23日掲載】

皆様、こんにちは!JDA九州/沖縄ブロック長のHustler(ハスラー)こと野崎です。

まずは、「令和4年台風14号」により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

日本の広いエリアで猛威を振るった「令和4年台風14号」ですが、私が住む大分県でも恐怖を覚える程の強い雨と風が吹き荒れました。地域によっては、最大瞬間風速50メートルを超えたところもあり、日本全国にて大小様々な被害がありました。

「最大瞬間風速50メートル以上」は、気象庁・各気象台の発表や天気予報で用いる風の強さで言えば、「猛烈な風」と表現され、このような猛烈な風が吹くと、走行中のトラックが横転したり、多くの樹木が倒れたりする恐れがあります。 また、電柱やブロック塀が倒れるものや、建物の外装材が飛散し、酷くなると住家の倒壊や鉄骨構造物の変形が起きると言われていますので、今回の暴風も想像を絶する風が吹いたということになります。

さて、風と言えばドローンには各機種毎にメーカーが定めた「最大風圧抵抗」というものが設定されており、一般的な空撮ドローンは、凡そ8m/sから12m/sに設定されていますが、私が所有している空撮ドローンは、「10m/s」と設定されているものが多いです。この「最大風圧抵抗」は、この風速までは機体のスペック上、「風圧に耐えることが出来ます」という意味であり、飛行させる前に計測した風速がこの風速までは大丈夫ということではありませんので注意してください。

地上には構造物や樹木等の障害物がありますので、何も障害物の無い上空より地上は「風が弱い」とされています。時には地上で5m/sの風が吹いている場合、上空では2倍以上の10m/s以上の風が吹いていることも少なくはありません。ですので、国土交通省航空局の「無人航空機/飛行マニュアル」にも、「安全を確保するために必要な体制」の章に、以下の通り記載されています。

「・風速5m/s以上の状態では飛行させない。」

ドローンの安全飛行のための重要な項目のひとつとして、このことをしっかりと守らなければなりません。

しかし、守るためには風速を知る環境が必要となりますので、まずは「風速計」をお持ちでない方は、「風速計」をご購入頂き、飛行前は勿論ですが補助者の方などは飛行中も風速をチェックして頂きたいと思います。

日本ドローン協会では、安全飛行のためにどのような管理をしたら良いのか、どんな場合に事故が起こってしまうのかを知り、無人航空機業務の安全性を高めるための知識を身につけて頂ける「JDAドローン安全管理者Zoom講習」を定期的に開催し、大変好評を頂いております。

現在、第18回(10/16土)開催分の受講申し込みを受け付けております。

講習の詳細・申し込みはこちらからお願いします。

https://alldrones.org/2020/06/06/zoom-safety/

それでは皆様、ご安全に!