空中写真測量 柳原 雅俊

【JDAドローンマガジン 2022年11月25日掲載】

JDA北海道の帯広より柳原です。
本日は以前ご紹介した[画素寸法(GSD)]と[飛行高度]についてお話を致します。

改めて軽くおさらいを致しますが、撮影した写真対象物がどのくらい精細に表現されているか。
地物判読を高精度で行うためには、より高い解像度撮影を行うことができるカメラを用いることが望ましいとされ、解像度は画像データを表現するの点の密度のことを言います。

そして空中写真測量では画像のデータを表す点1つが【実寸法】のどのくらいの大きさに相当するかという「画素寸法」がより小さい数値(実測値)になるような計測を行うことが求められ、「1ピクセル/Xcm」や「Xcm/画素」というような表現で表され、目的の成果物ごとに基準となる画素寸法値が要求され地上画素寸法を実現するためには使用するカメラにより撮影高度に大きく影響を及ぼします。

現在は自動ミッション作成アプリによって飛行高度を設定すると一緒に画素寸法値も表示されますので、より手軽に要求精度を実現する空中写真測量が行えるようになっておりますが、次の計算式によって求められます。

撮影高度[m]=(地上画素寸法[mm]/使用カメラの1画素あたりのサイズ[m㎡])×レンズ焦点距離[mm]

計算式を知っておくことで、写真測量の仕組みの理解につながってくるのではないでしょうか。
測量において求められる精度は各業務目的によって異なってくる部分はありますが、精度を実現するためには上述の通り[地上画素寸法]がより小さくなるような飛行を行う必要があり、基本的には「飛行高度」を下げるほど、撮影対象物がより鮮明な撮影が可能となりますが、低い高度で飛行するということは1枚の写真に写る範囲が狭くなるというデメリットがあります。

対して、高度を上げて撮影を行うことで、より広範囲を撮影することが可能となり撮影効率が上げられる反面、対象物がぼやけて撮影されるというデメリットもあります。
Phantom4で撮影した雪原写真にて異なる高度で撮影した写真より同一部分を切り出した画像をご参考ください。

これから空中写真測量を始めようとご検討されている方はカメラ仕様から地上画素寸法の計算の実施や飛行アプリ内から地上画素寸法値を確認してみてはいかがでしょうか。