地域の特性を生かしたドローンの普及拡大に向けて 宮田 敏美

【JDAドローンマガジン 2023年2月3日掲載】

国家資格学科試験にチャレンジ

JDA北海道の根室より宮田です。

1 はじめに

前回は、実地試験実施細則に基づき国家試験の概要をお知らせしましたが、今回は、国家資格学科試験を受けるまでの流れをお話ししたいと思います。

2 受験の申し込み(予約)

まず、受験予約をするには、DIPSで技能証明申請書を提出して本人確認を受け、申請番号を取得してから指定試験期間である日本海事協会が運営管理する「無人航空機操縦士試験申込システム」でアカウント登録後、プロメトリック試験会場日程を確認して、希望の日時、会場に申込みします。

3 試験会場での注意事項

試験会場はドローンの受験者だけが集まっている訳ではありません。プロフェッショナル系資格試験会場ですので、例えば生命保険関係の国家資格等、様々な受験対象者がそれぞれに指定された受験時間に集まりますので、周囲の人間の動きを見ながら行動を共にしようとしていたら受験できなくなりますので注意が必要です。

4 試験方法

一等及び二等試験共にパソコンを活用したCBT方式で行われます。これは、PC画面上に出題される問題を三肢択一で解答して行くものです。一等試験は

試験時間75分間で70問、二等試験は30分で50問です。回答時間は平均すると一問に付き1分もありませんので、最後に見直しする時間を考えますと、本当に大変です。難問にぶつかって時間をかけ過ぎてしまい、最後まで回答できずに不合格となった方もおられる様です。PCや計算機操作に戸惑うこともありますので、CBTの事前体験を申し込むのも宜しいかと思います。

5 学科試験内容

出題された問題を具体的に紙面に出すことは出来ませんが、令和4年11月2日に国交省が公表した「無人航空機の飛行の安全に関する教則」は、ドローンを飛行させる者が覚えておかなければならない事柄ですので、試験対策だけではなく、この教則を確実に理解することが合格への近道になります。

6 教則の考査

教則は全74頁で、結構ボリュームがありますが、これまでに飛行許可を取得してドローンの飛行操縦に従事された方には、半分以上が当然に理解されている事項と思います。しかし、難解な内容や間違いやすい部分も数多くありますので、勉強する上での要点を列挙しますので、参考にして下さい。

  •  当然のことで恐縮ですが、何回も繰り返し、そして繰り返し読破する。
  •  航空法及び関係法令の罰則(懲役何年・罰金何万)を整理して暗記する。
  •  数字を整理して覚える。(10日・3月・6月・1年・2年・3年)
  •  飛行許可の申請先~各航空局、各航空事務所
  •  リモートIDの静的・動的情報
  •  同じ意味でも教則内の文面と違う表現があるので要注意
  •  回転翼機ですから教則内のヘリコプターの勉強も忘れずに

などですが、車の運転免許の本免学科の事を思い出して下さい。限られた時間の中で何問も解いて行きますと、途中から「正しいもの・妥当なものを選ぶ」、「誤りを選ぶ」のか勘違いして、分かっている問題を落とすことがありますので、一問一問気持ちを新たに切り替えながら進めることが大切です。

7 終わりに

ドローンの国家資格は、全ての飛行操縦の必須条件ではありませんが、今後著しく進展して行くドローンの飛行特性とルールをきちんと理解することは、とても重要なことと考えます。不測の事態が生じた際に、いわゆる「法の不知」、知らなかったでは済まされないこと。また、ドローンは車と同様に人の生命、財産に危害を及ばすおそれがある物であることを十分に認識することが大切です。皆さん、是非とも国家資格にチャレンジしてスキルアップを図って下さいね。