未来のドローンパイロット育成に向けて 伊藤 磨辰

【JDAドローンマガジン 2023年2月12日掲載】

JDA北海道 オホーツクの伊藤でございます。

今回は前回のコラムでも記載致しました、農業ドローンライセンス講習のお話をさせて頂きます。

45名の申し込みで1月からスタートしており、日中の最高気温マイナス7℃や風速5m/sの中、ATTIモードでのホバリング練習や散布練習・8の字飛行を実施しております。最終日に自動航行の授業で締めくくるのが当スクールの実技内容となっており、ホバリングをクリアしてくれた生徒様は自動航行を目の当たりにした際、「スゲー」と歓声が上がります。こういった感動を味わえるのは、真剣に操縦し試験に合格した苦労があるからこそです。

今回の受講者様は皆「ヤル気」のある方達ばかりです。有難い事に、当社のスクールを受けて頂ける方々のほとんどが農薬散布ドローン等先進的な取り組みが好きな方や、実際困ったときにドローンを所有している方に助けてもらった方といった「必要性」をしっかりと感じて頂いている方が多く、「ライセンスをお金で買う。」といった考えの方はおりません。他スクールの話も入ってくるケースがあるのですが、農業機を使用しないで農業ライセンスを配布したりと今はもう無いとは思いますが、無茶苦茶な所があったとかなかったとか・・・実際の農業機体で操縦練習する一番の理由として私は「怖さを知ってもらう。」事だと思っております。実技初日に農業機を触る方達は初フライトが終った休憩時に「怖い」と言って頂けます。講習が終ってしまえば、運用は個人のモラルに委ねられます。怖さを知っているからこそ、運用も慎重になり、また安全対策も充実してくれると思っております。

まだまだ講習も始まったばかりです。2月中に43/45人オペレーターとして合格してもらえるようスタッフ総出で実施しております。当スクールで排出したオペレーターも今回皆合格して頂ければ200名以上となりオホーツク管内での当社管理機体が70台を超えます。北海道の冬期は営農が休みとなりこの時期は講習ラッシュとなります。寒いのは私達だけではなく生徒様も一緒です。北海道ならではの「寒さ」の中怖さを知ったオペレーターのモラルを信じ、安心安全を第一に多くの機体がフライトし多くの人たちの目に留まってくれれば、更なる発展に繋がると信じております。指が凍傷にならないよう適度な休憩を取りながらドローンパイロット育成に励みます。

下記写真は一班目の合格者と記念撮影です。当然掲載許可は頂いております。

この晴天でありながらも「寒さ」が伝わるであろう写真を掲載させて頂き、私達や生徒様の苦労も感じ取って頂ければ幸いです。先は長いですが、事故・怪我無く終われる様実施するのみです。こんな気温で飛ぶことを想定していない機体が「寒さ」で壊れなければ・・・・とドキドキしておりますが、それもまた経験です。