航空豆知識とドローン 林 賢太

【JDAドローンマガジン 2023年5月24日掲載】

皆様こんにちは。JDA東京のCO-PI(コーパイ)です。

今回の「航空豆知識とドローン」は、ドローンと航空機の「速度」についてご紹介したいと思います。速度とは、物体が単位時間に移動する距離のことで、例えば1秒間で1m移動する場合は1m/sと表すことは皆さんもご存じかと思います。この普段何気なく使っている「速度」ですが、空を飛ぶものは「対地速度」と「対気速度」という2種類の速度が存在します。

「対地速度」とは地面に対する速度のことで、車や自転車、ジョギングする人など地上で移動する全てのものの速度は、対地速度になります。今、車の速度計に100km/hと表示されていて一定の速度で進んでいるとします。するとこの車は1時間後には、地図上で100km移動することになる、これが対地速度です。

一方で「対気速度」とは空気に対する速度のことで、飛行機やヘリコプターなど大気中を移動する全てのものの速度は、対気速度になります。「今、飛行機の速度計に20m/sと表示されていて一定の速度で進んでいるとします。するとこの飛行機は1分後には、地図上で1200m移動することになる」…とは限らない、これが対気速度です。あれ、さっきの対地速度とは何がこの違いを生じさせているのでしょうか??

答えは、「風」です。

例えば追い風が10m/s吹いている場合、地面に対しては20m/s + 10m/s となり、1分後には18000m移動することになります。反対に向かい風が10m/s吹いている場合、地面に対しては20m/s – 10m/sとなり、1分後には600mしか移動出来ないことになります。これが「対地速度」と「対気速度」の違いです。

さて先日、「登録講習機関の教育の内容の基準等を定める告示の一部改正」でパブリック・コメントが募集されていました。 ※告示の改正内容はこちらをご参照ください。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000252726

その中に、飛行機を用いる場合に必要とされる占有空域の広さの計算式が開示されていました。飛行機(固定翼機)に興味のある方は、ぜひ一度計算してみて下さい。