ドローン事故事例について勉強してみました 前田 望都
【JDAドローンマガジン 2024年9月4日掲載】
こんにちは!
JDA和歌山のJaguarです。
これを書いている時は、台風10号が九州で猛威をふるっているころです。
「過去最強に近い」と連日報道されています。
皆さんの無事を祈るとともに、年々大型化していく災害にしっかりと備えたいと思います。
さて、先日いつも通り飛行訓練をしていると、ちょっと冷や汗をかくことがありました。
地上ではそんなに風が強くなかったのですが、50mほど上空で突風が吹いたようで、映像がグラングランと揺れました。
機体がけっこうな角度で斜めになっているのが分かりました。
その日はゆっくり下降させて、何事もなく着陸できたのですが、少し自分に油断が出てきたなと感じました。
今回は、国土交通省が発表している事故事例を勉強してみましたので、その内容を簡単にまとめたいと思います。
■多い事故のランキング
国交省発表「無人航空機に係る事故等報告一覧(令和4年12月5日以降に報告のあったもの)」から集計しました。
1 制御不能による墜落
機体が突然制御不能となり、墜落や、飛行続行中に障害物に衝突。主な原因は、通信途絶やモーターの停止、機体の故障など。
2 障害物への接触
電線、樹木、建物などの障害物に接触する事故。特に背景と同化して視認が難しい電線などとの接触が目立つ。
3 操縦ミスによる衝突
操縦ミスにより機体が予定していた飛行経路から逸脱し、衝突する事故。飛行時の焦りや、不適切な判断が原因。
4 飛行中のプロペラとの接触による負傷
操縦者や補助者が、飛行中または着陸中のプロペラに接触して負傷する事故。
5 バッテリー関連の問題
経年劣化したバッテリーの使用による問題や、飛行中にバッテリー残量が急減するケースも。
■こんな事故あるんやランキング
個人的に「こんなことあるんや」とびっくりした事故。
・鉄塔の点検作業中に本体からバッテリーが外れ、家屋に落下
・池の空撮中、水面に近づけて撮影するため高度を下げていき、そのまま池に墜落
・機体を着陸させようとしたところ、接地後に機体が飛び跳ねながら前進し、停止中の車に接触。その後も機体は止まらず手で押さえつけて止める
・操作スティックを前進に入れているのに機体は後退し、制御不能になり落下
■すごく多いから注意したいランキング
何度も事例に登場して「多いな~」と感じた事故。
・急に自動着陸モードになり、操縦できなくなり墜落
・背景の色と同化した電線に気づかず、機体を接触させた
・ハンドキャッチしたり、暴走する機体を手で止めようとして手を負傷
何事も一番の大敵は「油断」かと思います!
毎日初心を忘れず、点検や確認をしっかり重ねて、素敵なドローンライフを楽しんでいきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
写真は、突風で機体が斜めになった時に撮影されていた画像