良い映像のために心掛けていること 前田 望都
【JDAドローンマガジン 2024年10月23日掲載】
こんにちは! JDA和歌山のJaguarです。
「一年生の飛行日誌」と題してお送りしてきた本マガジンも、昨年10月の開始から一年がすぎました。
今回はこの一年間で学んだ、僕が最近「良い映像を撮るために心掛けていること」をまとめておきたいと思います。
(1)滑らかなカメラワーク
まず一番は、カメラを急にカクッと動かさない、ということです。
これ本当に大事だと思っていて、カクッと動いてしまっているカットは絶対に使いません!
カクッがあると、誰かがドローンを操縦している感(現実感)が一気に出てしまって、それがどんなに美しい風景で、構図であっても、映像の世界から現実に引き戻されてしまいます。
カメラを動かす時は、本当に滑らか~なスティック操作を心掛けています。
(2)一定のスピード
カメラを動かす時に、変に速くなったり遅くなったりしない、ということです。
パンやチルトのスピードがある程度一定じゃないと、(1)と同様に、「ドローンを操縦しています」感が出てしまいます。
パンとチルトは、最後に見せたい被写体が映るように置いて、最初と最後はゆっくり、途中は速めに動かすと滑らかに美しく見えます。
カメラを一定のスピードで滑らかに動かせるように、繰り返し練習あるのみです。
(3)きちんと構図を考える
被写体を適当に撮らない、ということです。
僕も最初の頃は、ドローンを飛ばして上空から撮るだけで満足していましたが、より良い映像を撮ろうと思うと、やっぱり構図がすごく大事です。
写真を撮るときと同じように、しっかり構図を意識して映像も撮るようにしています。
「動画の一部を切り取った時に、美しい写真になるように」と考えて撮ると、分かりやすいと思います。
構図は三分割法、対角線、額縁構図など、検索すればいろいろと出てきますが、僕はとりあえず「丸、三角、四角」に見える被写体や線を探すのが簡単だと思います。
またシンメトリーな映像もとっても美しいので、左右対称に撮れる構図も探すようにしています。
(4)物をかすめる
木の枝や建物の壁、柱、門など、対象物の近くをかすめるように飛ぶ、ということです。
当たりそうなくらい近くを飛んで対象物をフレームイン、アウトさせると、ドローンならではの迫力ある映像が撮れます。
このとき、機体の安全装置(センサー)が作動していると対象物にあまり近づけないので、機能をオフにして十分に注意してギリギリを狙います。
動画編集の際、対象物をかすめる瞬間に風音などの効果音を追加すると、より迫力がアップして良い感じになります。
(5)非日常感
見慣れた風景ではなく、あまり見たことのないような角度や構図を探す、ということです。
ドローンで空撮していると、それだけで見慣れない風景ではあるのですが、そろそろドローンの映像もテレビなどでよく使われているので、皆さん見慣れてきていると思います。
そういう見慣れたドローン映像も押さえつつ、新鮮な角度の映像も押さえるようにしています。
ポイントは超低空や超上空など、ふつうの空撮では飛ばないような高度を飛んでみることです。
ふつうは飛ばない高度というのは、何か問題があったり、難易度が高いから飛ばない可能性が高いので、難しかったり危険な飛行になる場合もあります。
こちらも十分に注意しながら、無理のない範囲で撮影に臨みましょう。
■まとめ
僕が最近心がけていることを5つ書き出しましたが、いずれも非日常感、非現実感を醸し出すためのポイントな気がします。
映像を見る人にドローンを思い出させないことができれば一番良いんじゃないかな、と思ったりしています。
「あ、ドローンの映像だな」と思わせないのが僕的には理想です。
それよりも映像の美しさや被写体、ストーリーに意識を向けることができれば良い映像なんじゃないかなと僕は思います。
僕個人もまだまだ全然えらそうなことは言えないのですが、映像制作の現場で感じていることをまとめてみました。
誰か一人でも何かの参考になればうれしいです。
写真は先日撮影した友ヶ島灯台(和歌山市)です。
これもかすめるように飛んでフレームインさせました。