DJIMini3Pro、Mini4Proのバッテリーを破損させてしまう事案のご紹介 宮田 敏美

【JDAドローンマガジン 2024年12月18日掲載】

こんにちは!JDA北海道ブロック 根室より宮田です。

今年も早いもので12 月に入りましたが、読者の皆様方は今年1 年間を振り返ってドローンの飛行は十分に行うことが出来たでしょうか?

また、これまで連載しました国家資格の実地試験修了審査の要点や審査員から見た留意事項等については、国家資格チャレンジの参考になったでしょうか?

さて、当スクールが所在します日本最東端の北海道根室地方は、納沙布岬沖合の方領土や世界自然遺産『しれとこ』、ラムサール条約加盟の野鳥の宝庫『春国岱』など国内ではなかなか見ることの出来ない雄大な大自然が広がっております。わたしも、この自然に魅了されて暇さえ有れば空撮の日々ですが、毎年訪れる多くの観光客の皆さんも、ここ数年間でカメラからドローンによる空中撮影をされる方も増えている感じがします。

今回は、小型ドローンの中でも比較的安価で人気機種であるDJIMini3Pro、Mini4Proのバッテリーに関して、私自身の単純なチェックミスで連続して3機も破損させてしまう事案がありましたのでお話ししたいと思います。

そもそも、平成27年末に最初の航空法改正が行われた際の規制対象の機体重量は200g以上で、当時の屋内練習用ドローンはDJI 製【tello】やParrot製【Mambo】の小型トイドローンが主流でした。その後、機体重量がギリギリ199gながら高性能なMavicMiniが発売され、当校でも十分に活躍してくれました。しかし更なる法改正で機体重量が100g以上に規制が強化されたことに伴い、Miniは、Mini3Pro、Mini4Proと進化をしました。飛行時間もMiniが18分に対して、Mini3Pro以降は最大飛行時間34分間と飛行時間が大幅に伸びるインテリジェントフライトバッテリーになり、新たに最大飛行時間45分間が可能なインテリジェントフライトバッテリー【Plus】が登場して、とても活用幅が広がりました。飛行時間が18分から45分に伸びたことは、小型ドローンによる空中撮影を行う場合でも【Plus】バッテリーを使用することで飛行時間にストレスを感じることが無くなり大きなメリットでした。

長々とMavicMiniの進化を述べましたが、私の初歩的なミスは、保有しているMini3ProとMini4Proに発売されました前記の【Plus】バッテリーを購入してこれまでどおりにプロペラガードを装着して安全対策を講じて屋内体育館で飛行チェックのため離陸を開始したところ、僅か1m上空で機体に異常な大きなブレが生じ始めて、スティック操作をしていないのに操縦不能に陥り高速で暴走を始めて壁に激突して破損してしまったのです。原因が分からずに初期設定を確認してから同様に他の機体の飛行を開始したところ、直ぐに同様の暴走が始まって壁に激突、破損の繰り返しで4機中3機を壊してしまいました。がっくりと落ち込んで『何が問題なのだろう』とメーカーに相談をしたところ、『プロペラガードとの併用は推奨致しません。』との回答で、確かに【注意事項】インテリジェントフライトバッテリーPlus とプロペラガードの併用については、機体の総重量がドローンの耐荷重を超過し飛行の安全性を保証できないため、プロペラガードの併用はできません。と明記されておりました。

今回は、屋内体育館の事で人身事故の発生がなかったことは幸いですが、屋外で操縦不能になって暴走した場合のことを考えますと背筋が寒くなります。私個人の屁理屈レベルの愚痴と重々承知の上で申し上げますと、組み合わせが容易に可能なバッテリーとプロペラガードが同一機体の適合部品としてWEB ショッピングサイトの同じ頁に登載して販売されていることは、ユーザーの選択ミスを誘発すると思います。DIPSの飛行許可を申請する際の安全対策として装着できる純正ガードを探している場合には、『有ったぁ~』と喜びのあまり注意事項を見落としたまま購入してしまうこともあると思いますが、それが私でした。皆様方は、私の轍を踏まないように機体と部品を購入される場合には、十分に気を付けて下さいね。

離陸直後に異常飛行(ダッチロール)に陥った写真が有りますので添付します。