ドローン整備士のあれこれ 貫田 宗平

【JDAドローンマガジン 2023年12月27日掲載】

皆さんこんにちは。JDA北海道の札幌よりSHOPこと貫田です。

さて今回は測量ドローンについてのお話です。ドローンで測量飛行を行う際は精度を確保するために様々な事前セッティングを行う必要があります。その事前の設定や準備等を誤って行ってしまうと撮影後のデータの精度が悪いといった結果となってしまいます。

今回は精度が悪くなってしまった原因の一例をご紹介します。

Q:DJI Phantom 4 RTKとD- RTK 2モバイルステーションを利用した写真測量において、精度を検証・解析すると、高さの精度が大きくずれ高度になってしまいます。 飛行時前の設定で注意するポイントはありますか?

A:アプリ内の RTK設定における高度情報への入力値が間違っていることにより、不適切な高度情報が記録されてしまった可能性があります。

D- RTK 2モバイルステーションの使用時には、撮影現場にD- RTK 2を設置する場所(基地点)を必ず事前に測量する必要があります。

撮影時にアプリ設定内で[ RTK設定]→「GNSS座標を入力」項目へ以下の3点に注意し、数値を入力することで、撮影写真には正しい、位置情報が記録することができます。

【緯度】【経度】【海抜】への入力の際に以下の3点と画像を確認し入力してください。

1、基地点測量時のX/Y座標(平面直角座標)は緯度経度へ事前に変換が必要
2、緯度、経度は10進法数値での入力
3、海抜は【既知点高度+三脚高+D- RTK2モジュール高(141. 9mm)】の合計値をメートルで入力

【海抜入力例】

基地点標高:30m、三脚高:1. 7m(注)、モジュール高:141. 9mm
30m+1. 7m+0.1419mより、 「31. 8419m」が【海抜】への入力値となる
(注)三脚は設置状態・方法により高さが変動するので適宜確認してください。