映像制作とドローン/映像制作周辺機器の選び方② 本田 美由貴

【JDAドローンマガジン 2024年3月6日掲載】

兵庫県より、StealthStealth&Dolphin です。
映像制作とドローン/映像制作周辺機器の選び方①』は長々とパソコンの選び方をお話ししましたが、今回はモニターを中心にお話いたします。

【モニターの選び方】
PCだけで十分でしょ!と思いがちですが、モニターを接続し二画面にするとかなり作業効率が上がります。モニターが大きいことで、細かな作業で精神的なストレスが軽減され、長時間作業ではより目に優しいと感じます。モニターの質を上げると、より正確なカラーや明るさが出せたり、キャリブレーション機能が付いてきます。

  1. 解像度:フルHD(1920×1080)
    クリエイター向けモニターの最近の主流はWQHD(2560×1440)で、フルDHより少し解像度は高めです。経済的な余裕があれば大は小を兼ねるで4KUHDにするのでもいいのですが、最初は4K映像もフルHDで拡大しながら編集するのでもいいかと思います。
  2. パネル種類:IPS
    パネル種類はNT、VA、IPSの3種類が主流ですが、色味の再限度が高いのはIPSで、映像制作ではこちらがおすすめです。
  3. 光沢:グレア
    光沢(グレア)と非光沢(ノングレア)があります。グレアはiPhoneのようにツルツルで見やすく、ノングレアは一般的なPCモニターで白っぽくかすんで見えサラサラしています。映像制作ではグレアがいいですが、まずはノングレアで編集した動画をiPhoneで確認するなどをしてみてもいいでしょう。IPSであってもノングレアのものも多いので注意してください。
  4. 応答速度:16ms
    リフレッシュレートとの関係があり、60Hz(60fps)が約16msになっています。こちらもリフレッシュレート同様低いほどゲームに適しており10ms以下は価格が高くなります。
  5. 表示色:8bit以上
    モニターでいうbitは表現できる色味の数で、大きいほど表現できる色が増えよりリアルな色を出せます。bitについては長くなるので省略しますが、RAWをいじる人は10や12bitの方がより立体感や温度感を出せます。とはいえ、正直8bitでも素人はその変化はわかりません。10bit以上になると価格が高くなります。

・その他、上記の項目をクリアしていれば特に気にする必要がない項目
輝度:高いほど明るい色を表現できます。スマホの画面で例えると、暗いところでは画面は暗くても見やすいが、明るい場所では明るくしないと見にくいです。最近のモニターは角度調整・高さ調整機能:可動域が広い方が様々な体勢に対応でき長時間作業が楽になります。高さが足りない場合はモニター台の購入をおすすめします。リモートワークの普及でデザインも様々出ています。

・その他注意点
ワイドカーブモニター:カーブしているモニターはゲーミング用です。基本的には平面モニターにしましょう。
ブルーライトカット、眼鏡:映像制作現場では、ブルーライトカットのフィルムや眼鏡は色味が変わってしまうため使用しません。カラーコーディネーターは医療用メガネを持っています。透明な普通の眼鏡が完全な透明ではないのは驚きです。特殊なレンズを使っているのでもちろん高額ですが、カラーの仕事を受けるなら必須です。

映像制作で有名なモニターはEIZO(日本)、BenQ(中国)で、他社にもクリエイター向けモニターはありますが、カラーに特化したモニターはこの2社です。同様なスペックでもEIZOの方が高額です。ただデュアルモニターにするだけなら1,2万円程度でもありますが、カラーに特化しEIZOの最高スペックを選ぶと60万円もします。初心者でどこから始めるかとても悩みますね。参考になれば幸いです。