地域の特性を生かしたドローンの普及拡大に向けて 宮田 敏美

【JDAドローンマガジン 2023年3月3日掲載】

国家資格学科試験にチャレンジ

JDA北海道の根室より宮田です。

1 はじめに

前回までは、国家試験の概要と学科試験受験までの流れに続いて掲載しましたが、今回は二等無人航空機操縦士の「実地試験」について解説します。

実地試験は、実際にドローンを飛行させて安全飛行技術の習熟状況を試験官がチェックして合否を判断する事です。採点要領や合否判定基準は、国土交通省航空局安全部無人航空機安全課から発出されている二等無人航空機操縦士実地試験実施細則と実施基準に基づきますので参考にして下さい。

2 実地試験科目

(1)正常時の基本飛行

ア スクエア飛行

・  GNSS、ビジョンセンサー等の水平方向の位置安定機能ONの状態で、機首を受験者から見て前方に向けて離陸を行い、高度3.5メートルまで上昇して5秒間ホバリングを行います。

・  試験員が口頭で指示する所まで機首を常に進行方向に向けた状態で直線上に飛行します。課題終了後に着陸を行います。比較的簡単です。

イ  8の字飛行

・  GNSS、ビジョンセンサー等の水平方向の位置安定機能ONの状態で、機首を受験者から見て前方に向けて離陸を行い、高度1.5メートルまで上昇し、5秒間ホバリングを行います。その後機首を進行方向に向けた状態での8の字飛行を、連続して二周行った後に着陸します。飛行速度を押さえて遠心力で外側に膨らまないようにエルロン・ラダーを調整しながらの操縦がポイントです。

(2)異常事態の発生時の飛行

・  GNSS、ビジョンセンサー等の水平方向の位置安定機能OFFの状態で、機首を受験者から見て前方に向けて離陸を行い、高度3.5メートルまで上昇し、5秒間ホバリングを行う。

・  試験員が口頭で指示する飛行経路及び手順で直線上に飛行する。

・ 機首を常に受験者から見て前方に向けた状態で側方へ移動し続ける。

※  試験員からの緊急着陸を行う旨の口頭指示があり次第、最短の飛行経路で指定された緊急着陸地点に着陸を行う。

3 飛行経路図

別紙の通りですので、頑張って繰り返しの練習を行ってください。今回の添付写真は、オホーツク海に接岸した流氷をドローンで撮影しました。