映像制作とドローン/カラコレとカラグレ  本田 美由貴

【JDAドローンマガジン 2023年4月28日掲載】

皆様、こんばんは!
兵庫県より、Stealth&Dolphin です。

本日はカラーについてです。
「カラーコレクション」と「カラーグレーディング」というものをご存じでしょうか?
色は映画などで時代感や情緒の変化を表現する役割があり、カラーコーディネーターという専門職があるぐらい重要です。

カラーコレクションは基本的に全体の色味を統一しカット切り替え時に違和感がないようにすることが目的で、カラーグレーディングは雰囲気や出したい色に調整することです。映画やPVではシーンごとにそのフィルターを作り上げ、場合により1コマごとや部分的に細かな調整を加えるという、とても繊細かつ専門的な技術が必要です。身近で簡単なもので例えると、スマホで写真を撮るときにアプリを使ってフィルターをかける、SNSにアップする写真にフィルター加工するようなことですが、定義や違いについては、地域やトレンドによって少しづつ違うので、詳しく知りたい方は調べてみてください。

私が使うツールは「DaVinci Resolve」(ダヴィンチリゾルブ)というハリウッド映画にも使われている動画編集ソフトです。動画のカットから消し込み、カラーグレーディングに至るまでたくさんのことができるうえに、なんとほとんどの機能が無料で使えるのです。ソフトについては後日投稿したいと思います。

カラーページでは、明度、色味、彩度をはじめとしてたくさんのことができます。カラコレ・カラグレは必ずしも必要ではありませんが、カラーを編集出来るととても便利です 。

画像は前回と同じくドローンがメインの写真です。


まず、青空をすこし明るくしたいので、青い部分だけ明るさを調節します。
やり方は2通りあります。

A:選択した色を調整する方法
調節したい色味(青色)を選択し、その色の明度を上げる 。
B:選択した範囲を調整する方法
範囲選択(部分選択)をして、その範囲の明度を上げる 。

どちらもシーンにより得意不得意があります。今回の場合は青い部分が空しかないので Aが良いでしょう。B は範囲を選択するのに時間がかかってしまうためがお勧めできませんが、小さい部分の調整であれば有効です。

次に、山の色を青々としたいので、山の部分だけ色味を変更します。
こちらも上記と同じく 2 通りありますが、山の色が「緑」のところと「赤」っぽいところがあるので、A を 2 回行います。

1. 青空に合うようによりきれいな緑にする
調節したい色味(緑)を選択し、その色味をお好みの緑に調整する。
2. 赤みのある部分を 1 の緑に近づける
調節したい色味(赤)を選択し、その色味を 1 の緑に合わせるように調整する。

全体的に明るくきれいな色に統一されました。

今度は派手に、昼間の景色を夕焼けにしてみます。

こちらも A を使います。夕陽が当たる部分(明度が高い部分)を選択し、オレンジ色に色味調節します。その際、夕陽が当たらない部分(暗い部分)をよく見ながら調整します。

このように極端にシーンを変えてしまうこともできます。

DJI のドローンをお持ちでしたら、画面右のカメラ設定の「カラー」から「D-Log」を選んで撮影してみてください。色味が全体的に薄く感じますが、その分カラコレ・カラグレがしやすいです。逆に、色味のしっかり乗ったカラー(Film や Twilight)で撮影したものは編集するのに制限がかかり難易度が上がります。一眼レフカメラ等では Law という Log よりもっと繊細な調整ができる設定がありますので、ぜひお試しください。

長くなりましたが、このように、解説するにはきりがないぐらい、映像編集やカメラは奥が深いですね。
次回もお楽しみに!