ドローン海外情報 溝部 公憲
【JDAメールマガジン第003号 2020年6月23日掲載】
前号の動画の方はご覧になったでしょうか?
今回は動画の中に出てきた‘Pandemic drones’について説明します。
これはアメリカのコネチカット州の警察が実験したもので、ウイルス検出技術を搭載したドローンを使用してコロナウイルスとの戦いを支援する目的で使用したものです。
日本でもドローンにスピーカーを搭載して、街の中をパトロールしながら、密接しないように声かけする等の 取り組みをしているところがありますが、この警察が行っていることはもう少し先をいっています。
上記州のウェストポート警察は、体温を測定し、心拍数を読み取り、ソーシャルディスタンスを計測し、190フィート離れたところから咳やくしゃみを検出できる「パンデミックドローン」をテストしました。
動画の中にあるように遠くから心拍数も読み取れるとなると、コロナウイルス対策だけではなく、国民の健康管理にも応用ができますよね。
ただこういう技術が発達してくると、必ず問題になってくるのが、プライバシー保護のことです。
この点については、ドローンの開発会社であるDraganflyは、顔の認識機能はなく、個人を特定するための識別には使用しないと主張しています。
日本でもこのプライバシー保護の問題は、各方面で敏感になっている点で、総務省からも「ドローンによる撮影映像などのインターネット上での取扱いに係わるガイドライン」なるものが出ています。
いくら技術が進んで便利な世の中になっても、最終的には人間のモラルと倫理の問題に行く着くのかも知れません。
さて次号は、ドイツの大学生のトピックで「ドローンで活火山の監視」についてお伝えします。