ドローン海外情報 溝部 公憲

【JDAメールマガジン第011号 2020年8月25日掲載】

皆さんご存知のようにドローンは、公安、捜索・救助、インフラ点検、測量・マッピング、野生動物保護など、さまざまな分野で働く専門家にとって重要なツールとなっています。

その中で今回は、ドローンを使って活火山を監視する研究をしている学生がいるという話です。

Edgar Zornというドイツの大学の博士課程の学生がいます。彼は写真測量技術を用いて活火山の変形を計測することを専門としています。

彼と他の科学者たちは最近、グアテマラの火山を安全な位置からドローンで空撮する研究を行いました。

このようなデータは、火山噴火の理解や予測に役立つ可能性があり、火山学の研究でドローンの利用が増えています。

彼が初めてドローンが火山で使われているのを見たのは、学士課程の学生だった頃で、当時はまだ、空撮画像を得る方法として、ドローンに加えて大きなヘリウム気球を持ち歩いていたそうです。

ドローンは、火山環境で動作するのに十分に洗練されていたし、基本的なコントロールは簡単に学ぶことができたそうで、彼の研究グループは、その能力と実用的な火山モニタリングのために、利用可能な画像処理ソフトウェアをテストし、良い結果が得られたので、ほとんどすべてのフィールドワークに使うようになったということです。

彼の主な研究テーマは、火山、特に溶岩ドーム(溶岩の粘性の高い塊)の変化をモニターするために適用される写真測量技術です。

これは、これまでは費用のかかる飛行機やヘリコプターで撮影した画像に限られていましたが、ドローンは、比較的安価で何度も飛ばすことができ、人間が乗っていないので、危険な場所にも危険なく飛ばすことができます。 また通常では取得することは不可能であろう噴火クレーターの画像をキャプチャすることができます。

ドローンは、ほとんどすべての火山環境において、高品質の地形画像や写真測量データを迅速に取得するために非常に実用的ですし、調査エリアの高精度な3Dモデルを構築するために使用することもできるという点において、将来的になくてはならないモノになるでしょう。

では、次回はドローンによるエンターテインメントの記事をお送りします。

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