ドローン海外情報 溝部 公憲

【JDAメールマガジン第039号 2021年4月6日掲載】

[ ペンギンとドローン ]

ドローンは色々な分野で役立つということは何度も書いていますが、今回の主人公は、ペンギンです。

世界最大のアデリーペンギン(Adélie penguin)のコロニーの1つが、複数のドローンで調査されました。調査時間は、3日(1台のドローンを手動で操縦)から、なんと3時間未満に短縮されました。

この作業は、スタンフォード大学と複数の会社で組織された専門家チームが行いました。

UgCSとカスタム・ルート・プランニング・アルゴリズム(スタンフォード)を使用して、自律的に調査するシステムを開発しました。調査ごとに何千もの高解像度画像が撮影され、大人のペンギンとその雛を自動的に識別してカウントするAIモデルを開発中でもあります。

特殊なアルゴリズムを使用して、南極のCape Crozierで30万組以上のペンギンの繁殖を効率的に撮影しました。最終的にこれらの調査は、「南極の海洋生態系の健全性を監視するための重要な指標である、ペンギンの個体数と繁殖の成功率の大規模な評価に貢献するでしょう」と研究者は説明しています。

このソフトは、グローバルな教育プログラムの一環としてペンギンの研究をサポートしています。2020年にUgCSは、環境、考古学、地球物理学、工学、農業、生物学、その他多くの応用分野で、世界中の250を超える大学で利用されました。

将来的にもっと色々な分野でドローンを使用していくには、各々の専門家の知恵と技術が必要です。例えば、飛行制御ソフトウェアや、データ分析ソフトウェア、様々なセンサーを備えた航空機搭載統合システや、地理空間データを処理および分析するための「AIプラットフォーム」等が必要になってきます。

私の講演でもよく話していますが、ここがこれまでのただの空飛ぶラジコンとドローンの大きな違いですね。今後も新しいAI関連のモデルが研究・開発されて、ドローンに搭載されていくことでしょう。楽しみです。

我々ドローン協会も今後、大学や民間の専門機関とコラボしながら、多方面でドローンを活用していきたいと考えています。

「たかがペンギン、されどペンギン ^^

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