JDAドローンExperiment 飯沼 純一

【JDAメールマガジン第069号 2021年11月17日掲載】

日本ドローン協会(以下JDA)の理事の飯沼純一です。

今回は、エンジン搭載ドローン!?のお話をしたいと思います。

エンジン搭載型ドローンの魅力といえば、飛行時間です。

バッテリー搭載型は軽量がメリットですが、どうしても飛行時間が短くなってしまいます。

また、エンジン搭載型の一番の課題は振動でした。

しかし、先日、静岡のある会社が、産業用途に特化した500㏄エンジン搭載の大型ドローン「AZ-500」を開発したと発表しました。

ドローンの開発などを手掛ける「アラセ・アイザワ・アエロスパシアル」という会社です。

まず着目したいのは、機体の開発に合わせて自動給油機能が付いた格納庫や、仮想空間で動きを再現する「デジタルツイン」技術を駆使した自律航行システムを一体設計することで、人間が介在せず自律的に仕事を続ける「空飛ぶ産業用ロボット」のベースマシン「The Drone Basics for Industries」が確立できる事です。災害時などは、人の手がどうしても足りなくなりますが、空からの支援が自動で実施されれば支援や復旧の手を休めることなく続けられます。

では、開発されたドローンはどの様な物なのでしょうか?

AZ-500は高性能な二輪エンジン技術を応用して、ドローンの専用エンジンを新規に設計されました。開発したAZ-500のエンジン「國男」の型式は油冷式500㏄。ジャイロ効果キャンセル構造(特許取得済み)の独自設計でエンジン本体の無振動化を実現しました。エンジン本体から4本のローターシャフトを腕のように伸ばし、エンジンのパワーを失わずに直駆動でプロペラに伝えるクアッド型マルチコプターを機体形式として活用。姿勢制御はプロペラの角度を調整して行う可変ピッチ方式にしてあります。

機体重量は100キログラム、ペイロード(積載可能重量)は50キログラム未満で、ドローンの最大離陸重量の規制にぎりぎり収まる最大級のスケールを達成しました。ペイロードを使用しない連続航行時間は5時間以上!?素晴らしいですね!

格納庫の「The Port」からAZ-500が飛び立ち、仕事が終われば帰還することを想定されています。格納庫は車でけん引して、建設現場など所定の場所に運び込めるようにしており、自動給油機能やIoTを駆使した機体の自動点検機能を備え、一定の期間、人の手を一切煩わせず空飛ぶ仕事を繰り返せる素晴らしい機能です。

今後の活躍に期待したいですね!!

今回もご覧頂きましてありがとうございました~(^^♪  

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