映像制作とドローン/映像制作周辺機器の選び方① 本田 美由貴
【JDAドローンマガジン 2023年7月12日掲載】
皆様、こんばんは!
兵庫県より、Stealth&Dolphin です。
本日は映像編集に適した辺機器の選び方① ということですが 、映像編集をやっていると実に多様なものが必要になってくるし、それに対して必要な知識も増えてきます。まずは映像編集に一番重要な「パソコン」に絞ってお話します。
【パソコンの選び方】
PCの「スペック」とはよく言いますが、一概に「スペックが良い」ものを選ぶことはお勧めできません。資金的に余裕がある方は、最新の最高性能の高額 PC を購入すれば映像編集で困ることはないでしょう。今回は、コストを抑え無駄を省きたい方、映像編集専用 PCを求めている方に向けて、映像編集に適した最低限のスペックをご紹介します。
最初に・・・
『Windows か MacBook か問題 』
私も、私の周りもWindows 派が多いのですが、 Mac 派の周りには Mac 派が多いとよく聞きます。私は iPhone を利用しているものの、Mac は利用したことがありません。良し悪しについては他サイトでたくさん出ているのでそちらを参考にしてください。この回ではWindows を基準にしてお話します。
私が使用している PC2 台 (映像編集用と事務作業用) で比較して解説していきます 。
まず確認する項目はCPU (画像のプロセッサと写真)です。 CPU はドローンでいう FC(フライトコントローラー) 、いわゆる脳の機能です。 Intel や AMD が主流で、数字が大きい方が CPU の性能が良いといえます。ノート PC を開いた右端か左端にシールが貼っており、どちらも 5 以上あると動画編集が可能ですが、 4K 以上の画質 や 長めの動画の編集が多いのであれば 7 以上を選ぶと良いでしょう。私の映像編集用 PC は 7 です。現在最高が 9 ですが、ノート PC ではまだ少ないです。映像編集の CPU 最低ラインは 5 、と覚えておきましょう。
次にメモリ(画像の実装RAM)です。 RAM は一度にいろいろな処理をするもので、映像編集には 8GB 必要です。家電量販店で並んでいる PC で上の CPU が 7 あるものは大抵 8GB あるかと思います。実際事務作業用 PC も CPU は i5 ですが 8GB です。デスクトップのゲーミング PC は 16GB が多いかと思います。映像編集の RAM 最低ラインは 8GB 、と覚えておきましょう。
次にGPU (画像の名前とチップの種類)です。映像を高画質でスムーズに再生するのに必要で、グラフィック専用の CPU のイメージです。グラボ(グラフィックボード)搭載 PC などといわれます。厳密には GPU とグラボは別のものを指すようです 。 事務作業用 PC には特別入っておらず Intel の標準仕様になっており、映像編集用 PC には AMD の グラボが入っております。グラボはかなりたくさんの種類があり常に新しいものが出ているのでここでは詳しく書けませんが、性能が良いものほどより重い編集内容の映像のプレビューもスムーズにディスプレイに反映されます。映像編集をするのには基本的にグラボはあった方がいいと覚えておきましょう 。
グラフィックに関連してVRAM とリフレッシュレートについてです。
VRAM(画像の表示メモリ)は GPU 専用のメモリで、事務作業用と映像編集用で大きく差があるのが分かります。グラボ搭載 PC は RAM が 2GB (2000MB)以上あるかと思います。共有メモリは、 VRAM が追い付かない時に上記のメモリ( RAM )から VRAM に供給されるメモリ容量です。メモリ合計は VRAM と共有メモリの合計になっています 。
リフレッシュレートは動画でいう fps で、 1 秒間に映像が何度書き換えられるかを Hz で表します。数字が高いほど映像が滑らかに見えます。最近のほとんどの PC が 60Hz で、作業用 PC は 30Hz (省エネモード)も選べるようになっております。 fps60 で撮影するのであれば 60Hz は必須です。ノート PC にあるかはわかりませんが、現在 144Hz が最高で、それはもう滑らかなのですが、慣れないと酔いそうになります。
その他、画像のシステムの種類に64 ビットとありますが、現在販売されている PC はほぼ 64 ですので、選ぶ際には心配いらないと思います。 最後に 解像度(画像の現在の表示モード) も確認しましょう。ノート PC はほとんどが 1920×1080 (フルHD) だと思いますが 、デスクトップならせっかくなのでディスプレイは 4K にしたいところです。ディスプレイの選び方については後ほど他の周辺機器と一緒に解説いたします。
以上をまとめると、映像編集にはある程度高スペック な PC が必要ということが分かったかと思います。大事な項目は「CPU、メモリ、GPU(グラボ)」、それに伴う「 VRAM 」が適切か、「リフレッシュレート、解像度」は好みや予算に応じ、という感じです。とはいえ、自分で探すのは大変です。家電量販店や PC 専門店に行くと店員さんが詳しく教えてくれるので、自分に合った最適なものを選べたら良いですね。