航空豆知識とドローン 林 賢太

【JDAドローンマガジン 2023年8月9日掲載】

皆様こんにちは。JDA東京のCO-PI(コーパイ)です。

今回の「航空豆知識とドローン」は、固定翼ドローンの「速度」と「飛行距離」についてご紹介したいと思います。固定翼ドローンはマルチコプターと異なり、「対気速度」と「対地速度」という2つの速度を使って飛行します。

例えば、対気速度25m/sで飛行する固定翼ドローンがあるとします。この機体が無風時に1分間で飛行する距離は、25m/s × 60秒 = 1500mとなります。一方で向かい風が5m/s吹いている場合、対地速度は25 – 5 = 20m/sとなり、1分後には20m/s × 60秒 = 1200m飛行することになります。反対に追い風が5m/s吹いている場合、対地速度は25 + 5 = 30m/sとなり、1分後には30m/s × 60秒 = 1800m飛行することになります。同じ強さの風であっても、吹いてくる方向によって飛行距離に多大な影響が出てくるのが、固定翼ドローンの難しさの1つです。

ではここで問題です。

問題1.「対気速度25m/sで40分間飛行可能な固定翼ドローンがあります。このドローンを使って片道55㎞の二地点間を飛行させる場合、無風時において上空旋回待機可能な時間を求めてください。」

問題2.「このドローンを使って片道55㎞の二地点間を飛行させる場合の、風速制限を求めてください。」

「航空豆知識」のはずが、「一等学科試験問題」みたいになってしまいましたね。解説は、また次回。