ドローンによる医療品輸送とSDGs 武岡禄基

【JDAドローンマガジン 2024年6月19日掲載】

まいど!!Rockyです。

ドローン技術の進歩により、注目されているのが、医療品輸送におけるドローンの役割ですね。南城市と八重瀬町ではこの技術を活用し、災害時および日常の医療供給体制を強化するプロジェクトが進行中です。この取り組みは、持続可能な開発目標(SDGs)においても大きな意義を持ち、複数の目標と関連しています。

SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」は、医療品輸送プロジェクトの中心に位置します。特に、急速に進行する高齢化社会において、遠隔地や医療機関が少ない地域への迅速な医療物資の供給は不可欠です。ドローンを利用することで、従来の輸送手段では時間がかかる場所でも、医療品を迅速に届けることが可能となり、健康と福祉の向上に寄与します。

次に、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」を考えると、地方都市や、その周辺における災害時の対応力の強化が重要です。日本は地震や台風などの自然災害が頻発する国であり、これに備えた整備と迅速な対応策が求められています。ドローンによる医療品輸送は、災害により道路が寸断された場合でも、空から迅速に救援物資を届けることができ、災害対応能力を大幅に向上させます。

さらに、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」にも関連しています。ドローン技術の開発と実用化は、地域の産業振興と雇用創出につながります。現地の企業や研究機関と連携し、ドローン技術を活用した新たなビジネスモデルの構築が期待されています。これにより、地域経済の活性化と技術革新が促進され、持続可能な社会の実現に寄与することができます。

南城市と八重瀬町では、ドローンを使った医療品輸送の実証実験が行われていきます。この実験では、AED、薬品などの緊急性が高い物資を対象とし、配送ルートや、災害時の緊急対応の策定が進められています。

また、この取り組みは、学校や教育機関とも連携し、次世代の技術者育成にも貢献しています。学生たちは実際のドローン操作やメンテナンスの技術を学び、地域の技術革新を支える人材となることが期待されています。

南城市と八重瀬町のドローンを活用した医療品輸送プロジェクトは、SDGsの目標3、9、11に直接関連し、健康と福祉の向上、災害対応力の強化、そして技術革新と産業振興を同時に実現するものです。持続可能な社会の実現に向けて、このような取り組みが全国へと広がっていくことが期待しています。