災害時に物資輸送できるドローンについて 飯沼 純一

【JDAドローンマガジン 2024年10月2日掲載】

日本ドローン協会(以下JDA)参与の飯沼純一です。

今回は、「災害時に物資輸送できるドローンについて」をご紹介したいと思います。

実際に災害時に物資輸送ができるドローンは、実際にはどのくらいあると思いますか?

海外製、日本製を問わず数多くのメーカーから、物資輸送専用のドローンが発売されております。

しかし、災害発生(有事)の際に、即座に活用でき且つメンテナンスが行き届いており操作に慣れているドローンでないと、安全にフル活用は難しいと過去の災害を経験している自分としては思う所があります。

私は、東日本大震災、原発事故、大洪水と数多くの災害の被害者であり経験者です。

そんな私が、実際に有事の際に物資輸送として活用できるドローンの個人的な条件を書き出してみます。

①機体、バッテリー、プロポ共に常にメンテナンスされている
②平時は通常の業務で使用しており操作に慣れている
③機体を知り尽くしている
④経験豊富な飛行時間を有している
⑤包括で飛行許可承認されている
⑥チームでオペレーションが出来る

物資輸送の専用ドローンは、②以外はクリアできますが、現状のドローンの実情では②をクリアできる方は数えるほどしかいらっしゃらないかと思います。

ずっと②がクリアできる事が課題でしたが…やっとクリアできる機材が見つかりました! それは、以下の写真の商品です。

これは、DJIの農薬散布機を物資輸送ドローンに変身させるための機材です。

この商品は画期的でして、平時は業務で農薬散布し、有事の際はタンクを外しこの機材を取り付ける事により、25kgまでの緊急物資を運ぶ事が出来ます。

また、荷物が地面に着地すると自動でリリースしてくれるので、非常に安全かつ簡略的に物資輸送が実現できます。

この機材の登場により、長年の課題であった②がクリアされ、私の考えていた物資輸送ドローンの条件がすべてクリアできることになりました。

もちろん自分もこの機材を購入し使用してみましたが、最高の機材でした!

現在は機体の関係で目視内での輸送に限定されていますが、DJIの最新型農薬散布機であれば、搭載されているカメラが優秀ですので、目視外での輸送にもチャレンジできるのではとも思います。

もちろん飛行許可承認されてからになりますが。

将来必ず来るとされている大災害。

日頃からの備えはとても大事です。

農薬散布機が、災害時物資輸送ドローンとして活用できれば、最高の備えになるのではないか?と私は思います。

今回もご覧いただきまして、誠にありがとうございました!!