ドローンの安全管理 野崎 豊文
【JDAメールマガジン第012号 2020年9月1日掲載】
皆様、こんにちは!JDA九州/沖縄ブロック長のHustler(ハスラー)です。
国土交通省と農林水産省のホームページにて「無人航空機の事故に関する一覧」で公開されている、両省合せて「500件」(2016年~2019年の4年間)の集計結果の続きです。
今回は、「要因別集計」の結果について書いていきます。
<要因別集計>
1. 操縦ミス 217件( 43.4%)
2. 保守点検不備 154件( 30.8%)
3. 操縦技能不足 36件( 7.2%)
4. ニアミス 10件( 2.0%)
5. 外部要因 31件( 6.2%)
6. 機体トラブル 26件( 5.2%)
7. 不明・その他 26件( 5.2%)
計:500件(100.0%)
要因別集計結果は以上の通り、「操縦ミス」と「保守点検不備」だけで、全体の約4分の3(74.2%)を占める結果となっていました。
ここで注目しなければならないのが、上記集計結果の1~4、つまり「操縦ミス・保守点検不備・操縦技能不足・ニアミス」の合計の417件(全体の83.4%)が『人為的要因』=ヒューマンエラーに起因しているという事実です。
ドローンに限らず「安全」を考える上で重要なファクターとなるのが、この「ヒューマンエラーへの対策」ですが、ヒューマンエラーへの対策を検討する上で、念頭に置かなくてはならないのは、「そもそも人間はミスをする生き物だ」ということです。
このことを理解した上で様々な「事故になり得る要因の分析とその具体的な対策」を講じることにより、ヒューマンエラーの発生をある程度防止することが可能になると思います。
我々の生活を豊かなものにするドローンが「空飛ぶ凶器」と言われないよう、また、事故の加害者とならないように、皆様も「ヒューマンエラーへの対策」をしっかりと考え実行していきましょう!
次回は、ドローンの安全を考える上で更に興味深い「パイロットの飛行経験時間別集計」結果について書いていきたいと思います。