ドローン海外情報 溝部 公憲
【JDAメールマガジン第035号 2021年3月2日掲載】
[ VTOLって何だか知ってますか?]今日はロシアのUAVメーカーの新しいドローンのお話しです。
いや〜しかし、次から次へと新しいドローンを世界中のメーカーが作っていて驚いてしまいます。
その中でも、Zala Aero Groupは、2月21日にアブダビで開催された2021年の国際防衛産業展示会で、新しいハイブリッド無人航空機(UAV)を発表しました。
2004年に設立されたZalaAero Groupは、無人航空機システム、ペイロード、およびモバイルシステムのロシアの開発者および製造業者です。その主な製品は、偵察無人システムとデジタルソリューションです。
現在、2,000を超えるZalaUASがロシア国内で運営されています。適用分野は、国境の保護、偵察および救助活動、リスクの高い施設および緊急事態の監視です。
今回発表したのは、垂直離着陸(VTOL)と呼ばれるものです。
日本語的に発音すると「ブイトール」ですね。
何の略かって気になると思うので簡単に説明すると、
Vertical Take Off and Landingの略で、要するに垂直離着陸ができる機体で、通常固定翼機のことを言います。ヘリコプターは普通これに含まれません。
もう少し補足説明しておくと、エンジンの推力が向かう方向を何らかの方法で変えるか、もしくは垂直方向への推力を生み出す専用のエンジンを搭載し、離陸滑走を要さずに揚力を生み出せるようになっているということです。通常固定翼機というと滑走路が必要になるので、その点非常に便利なものとなります。
Zalaによると、特徴としては、操作のしやすさにより、UAVシステムはオペレーターの役割を減らし、飛行任務を実行するときに使用する機器の量を減らし、UAVの飛行プロセスを完全に自動化することができるそうです。
またコンピューターは人工知能を使用しているため、データを完全に高解像度で処理し、暗号化された通信チャネルを介してHDビデオと写真を送信し、航空機が着陸する前でも監視の効果を確保できます。
VTOL設計により、既存のもののペイロードと互換性があり、追加の測量機器を設置することもできます。
つまり色々と目的によって部品を付け替えることができるので、何機も所持する必要がなくなり、効率がよいわけですね。
日本も国土が狭いとは言え、ドローンによる物流や災害利用を考えると、今後VTOLは必要不可欠と思っています。