ドローン×農業 日高 雄一郎
【JDAメールマガジン第064号 2021年10月13日掲載】
皆さんこんにちは。
JDAアグリフライヤー 認定教官 のJokerこと日高と申します。
たまにはアグリフライヤー以外の機体についても書いてみます。
JDA会員の方ならすっかりおなじみ、DJIの新型散布機「Agras T30」がリリースされました。
既に新製品の案内動画等をご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、この「T30」は、農薬散布の現場を変えてしまうかもしれない驚きの機能が満載です。
30Lもの大容量タンクを搭載し、前後にはカメラも装備。DJIならではのレーダーシステムは面ではなく「球」をカバーします。
16個のノズルは最大9メートルもの散布幅を持ちます…って、従来機のT20は7m、アグリフライヤーは4mですからかなりの広範囲をカバーします。
私がT30に期待しているのは「インテリジェントモード」によるルートのプランニングです。
従来の自動航行は「液剤の補充」「バッテリーの交換」についてのフォローが不十分で、これらをカバーするためにチームとしての役割を重視する必要があります。
T30はこれらのフォローも事前に確認ができ、現場にパソコンがなくてもクラウド上でこれらの情報を管理したうえで自動運行できるとのことです。
クラウドについて、日本ではこれから追加される機能のようですが、T30のワークフローは現場の作業効率を大きく変える可能性がありますね。
また「額縁散布」も対応可能とのことで変形圃場も自動航行できたり、水稲の農薬散布だけでなくいままで課題とされてきた果樹への農薬散布対応策も十分に持っています。
T30は、農薬散布にとどまらずソーラーパネルの洗浄など他の用途にもにも大きく寄与することでしょう。
さすがはDJIの新型機、これらのパワフルな機能に日本の技術がどこまで太刀打ちできるのか…今後が楽しみです。
そしてJDAの農薬散布講習で使われる「アグリフライヤー」も、いよいよ新情報が届いています。
来月はこのあたりの情報にも触れながら、ますます進化する「スマート農業」についても発信していけたらと思います。