地域の特性を生かしたドローンの普及拡大に向けて 宮田 敏美

【JDALINEマガジン 2022年6月19日掲載】

JDA北海道ブロック、根室の宮田です。まずは自己紹介も兼ねて投稿します。

いきなりですが、根室市をお分かりになるでしょうか?
日本列島全体を俯瞰して見ますと良く『タツノオトシゴ』に似ていると表現されますが、根室市が所在する北海道根室半島は、『タツノオトシゴ』の下くちばしの所に当たります。人が自由に往来できる国土としては、日本最東端に位置しており、地元でも『日本で朝日が一番早い街』をキャッチフレーズにしております。

最東端である納沙布岬沖は、太平洋とオホーツク海が激しくぶつかり合う海域で、北方領土をわずか3.7キロメートルの目前に望むことが出来ます。また、上くちばしに位置する世界自然遺産『知床(しれとこ)』連峰の雄大な風景、さらには、ラムサール条約に登録され、有史以来高い原始性(奇跡の太古の森)が保持されている自然景勝地『春国岱(しゅんくにたい)』などの大自然の宝庫の地なのですよ。
陸にはエゾシカ・ヒグマ、空にはオオワシ・タンチョウ・エトピリカ、海にはシャチ・ラッコ、そして流氷下のクリオネなど、眼下の360度眺望は、もはや日本では無く北欧フィヨルドの様を呈しております。この様に根室市は、二つの海流がぶつかり合う日本有数の豊かな漁場であり、また、小学校の教科書にも載っているパイロットファーム(日本最大の大酪農地帯)でもあります。

東京武蔵野台地の約7倍、山口県秋吉台の約38倍にも及ぶこの広大な大地には山が一つもなく、わずか数万の人々住んでいる田舎ですが、実は乳牛が約170万頭も放牧されている隠れた大都市なのです。

若干、地元紹介が長くなりましたが、この様に日本有数の大自然に囲まれた『道東根室』で、私はドローンの普及拡大に携わりながら野生動植物と共生共存して生息?しております。

2 私が取組んでいること
私の取組みは、この大自然の中でドローンの普及を図って、地元経済の維持と更なる発展を図って行くことにあります。それは、どういうことかと申しますと、日本が抱える少子高齢化は、近い将来に少子少高齢化を招来し、2055年には日本の総人口は一億人を割るという深刻な問題があります。
その問題に対応する国の重要な施策に『働き方改革』があり、その推進項目内のIT・ロボット化にドローンの普及が位置付けされております。既に始まっている人口減少は、都市部より地方都市が顕著ですので、地方の地場産業の深刻な働き手の減少をドローンで効率的に補って行こうと言うことです。

当地で取組んでいる具体的な項目の一部を紹介しますと
○ 漁業関連~定置網の点検等
○ 酪農業関連~放牧中の乳牛の監視と牛舎への移動(牛追いドローン)
○ 林業関連~監督官庁との森林伐採計画の策定と作業終了後の空撮報告
○ 建設業関連~身近な工務店さんの雨漏り点検や空き家の建物診断
○ 自治体関連~防災対策、野生動物の調査、不法廃棄物の調査
○ 観光協会関連~新たな観光客の集客(大自然に着目した空撮の聖地として)
に取組んでおります。

そのほか、特に最近では、南海トラフ巨大地震と同規模の発生が目前に迫っている当地の千島・根室沖巨大地震を踏まえた海岸線の防災対策や港湾・船舶・海中作業等の安全と効率に特化した水中ドローンとコラボした『空と海を一体化したドローンの活用』を提言して関係官庁や関係機関・団体を粘り強く回っております。

3 終わりに
今回のコラムは、初回にもかかわらず、とても抽象的な内容で皆様方には余り参考となる内容ではないかも知れません。
ドローンの実践的な活用もWEB上で紹介され尽くされている感があります。
ですが、これから華々しく進展を続ける大企業による物流インフラ等だけではなく、
視点を地方やより身近な所に向けたけたとき、まだまだ私達の生活を向上させて幸せにしてくれるものと思っております。これからも地域に根ざしたドローンの普及拡大を行って参りますので、宜しくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA