JDAドローンExperiment 飯沼 純一

【JDAドローンマガジン 2022年10月14日掲載】

日本ドローン協会(以下JDA)の理事の飯沼純一です。

今回は、非GPS状況下による超音波センサーの可能性実証実験について話していきたいと思います。

福島県南相馬市に所在します福島ロボットテストフィールドの試験用トンネルで、とある県の公立大学と当協会のコラボによる実証実験を実施いたしました。

現在のドローンに搭載されている安全対策用のセンサーは、主にビジョンセンサー(カメラセンサー)や光学センサー(赤外線センサー)が主流となっておりますが、少し前までは超音波センサーも搭載されておりました。

ほとんどのドローンでは、自動飛行、衝突検知など様々な機能を実現するために多様なセンシング技術が用いられています。その中でも超音波センサーは、ドローンの着陸、ホバリング、地上追跡の支援に利用されています。

ドローンに備わる着陸支援は、ドローンの最下面から地上までの距離を検知し、その場所が着陸できる安全な場所であるかを確認し、ゆっくりとドローンを下降させる機能です。GPSモニタリングや気圧検知向けのセンシング技術が着陸プロセスを支援する一方、超音波センシングはこのプロセスにおける最も重要で正確な情報源となります。

なぜ、今になって超音波センサーに注目した実証実験に着手したのか!

それは、他の技術だと誤検知の恐れがある表面も超音波センシングは検知できるからです!

例えば、ドローンを使用する際は、窓ガラスやその他のガラス表面、ビルなどに遭遇するケースが多くあります。

光を用いたセンシング技術では、ガラスやその他の透明な物体を透過してしまう危険があり、窓ガラスで覆われたビル周辺でドローンを飛ばす際に問題となります。

しかし、超音波はガラス表面に確実に反射するのです!

現在、超音波センシングは主にドローンの着陸やホバリング支援に用いられていますが、その優れた対費用効果から、ドローン開発者の間でこの技術の別な応用方法が模索され始めています。

急速に進化するドローン市場において、その可能性は無限に広がっています。

我々は、今後も実証実験を繰り返し実施し、小型かつ軽量で高性能な超音波センサーの開発に着手できれば幸いと考えております!

今回もご覧頂きましてありがとうございました~(^^♪