地域の特性を生かしたドローンの普及拡大に向けて 宮田 敏美

【JDAドローンマガジン 2022年10月7日掲載】

無人航空操縦従事者の免許制度(国家資格)の開始について(シリーズ初回稿)

JDA北海道の根室より宮田です。

1 はじめに

 平成27年12月に改正航空法が施行されて、無人航空機(以下ドローン)の法的規制が開始されました。これは、同年4月に発生した首相官邸ドローン落下事件が契機でドローンが広く国内に知れ渡る要因となりました。この事件でドローンは、テロにも転用可能な危険性の高い飛行物体として広まる一方で、安全に活用することで、国民の生活や利便性を大きく向上させる特効薬になると期待が込められ、国が進める働き方改革のIT、ロボット化を推進する強力な一翼にもなる法改正でした。それから7年が経過して、今やドローンは働き手不足を補って21世紀の日本経済を支える基盤の一つとして急成長を遂げて参りました。

    この急速な推移は、遡ること62年前の1960年(昭和35年)に、現在の「道路交通法」が施行され、幾多の変遷が行われて運転免許制度が確立し、日本の高度成長期を後押しした側面と同様な推移を呈しております。

    車が個人レベルで手軽に保有することが出来て「国民皆免許」時代になったように、ドローンも今後、物流の他に「空飛ぶ車」の進展で、私が過去に鑑賞したブルースウィリス主演のSFアクション映画「フィフス・エレメント」の様に現代の陸上交通の2Dから高低差ルールにより交差点も存在しない3Dの新たな空域交通を支える航空交通安全法が新設され、ドローンの国民皆免許時代を迎えることと思います。

願わくば、筆者もその近未来の到来まで長生きしなければとダイエットと晩酌の量を控えようかとも考えている昨今です。

2 免許制度の考え方

    免許制度を踏まえて、国交省から数多くのコメントや文書が発出され方向性が示されました。これらの全てに目を通しても、全容を理解して頭を整理することは、なかなか厄介ですが、ドローンを現に飛行にされている読者の皆様にとっては、航空法や関係諸法令に違反することがないように、少しずつでも理解して適切に対応していく必要があります。分かりやすい考え方としては、車の運転免許と車検制度に置き換えますと改正の趣旨が良く見えて来ます。

 (1) 飛行免許とは

      車の運転免許証は、車種・用途によって普通・大型、第一種・第二種に区分されますが、ドローンも似たように一等・二等免許に区分され、飛行出来る空域・形態によってレベル1~4に分けられます。

 (2)  機体登録の義務化と機体整備

    2022年6月20日から「100g以上の無人航空機の登録義務化」が施行されました。重量が100gを超える機体は機体登録が必要になり、機体整備も求められます。これも、車の登録番号標(ナンバー)や車検・定期点検制度と共通し、飛行前点検も車の運行前点検と共通します。

 (3)  管理体制

      企業に於ける車の安全運転管理者制度や現場の安全管理体制の確保と同様に、ドローンも飛行現場での安全管理体制や日常の機体管理体制を確保するために、安全飛行管理者制度(仮称)も確立されて行くことでしょう。

3 おわりに

  日本全国が急速な高度成長期を陸上交通の発展と共に迎えた時、全国の年間交通事故死者数は一万人を超える輪禍が近年まで続き、抑止するために幾度も道路交通法の改正が行われた禍根の歴史があります。今回、航空法も僅か7年間で免許制度を始めとする法改正が行われるのもドローン社会の急速な進展に伴って発生する諸々の事件事故を未然に防止するためと物流を含めた更なる進展を図るために必要且つ適正な改正であり、ドローン飛行操縦に従事する私達としては、改正された関係法令を真摯に遵守して行かなければならないと思います。

  次回以降で、改正航空法の具体的は内容について、分かりやすく解説して行きたいと思います。今回、添付する写真は、DJI Mini3 Proに自発光式のライデイングギアを取付けたものですが、とても綺麗で映画「未知との遭遇」で突如として出現したUFOの様で遊び心満載でした。