航空豆知識とドローン 林 賢太

【JDAドローンマガジン 2023年2月1日掲載】

皆様こんにちは。JDA東京のCO-PI(コーパイ)です。

今回の航空豆知識とドローンは、「無人航空機操縦者技能証明の学科試験合格体験記」をご紹介いたします。昨年12月5日から二等学科試験、今年1月16日から一等学科試験が開始され、私も早速受験、見事「合格基準点以上」の成績を修めました。

今回は試験問題の内容や事前学習の方法などについて、解説していきたいと思います。

・学科試験の概要

・一等と二等の合格へのキーポイント

・事前学習方法

まず、「学科試験の概要」をご紹介します。

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一等、二等いずれも三肢択一式となっております。「誤っているもの」はどれか?という出題パターンはありますが、「正解は1つ」となっています。試験時間と問題数は二等が30分50問、一等が75分70問、合格するための正答率は二等が約80%、一等が約90%です。出題科目はいずれも共通で、「法律」「機体システム」「操縦者と運航体制」「リスク管理」の4科目になります。学科試験は、受験する機体の種類に関わらず共通となっており、マルチコプターに加えて、飛行機とシングルコプターに関する問題も出題されます。問題数の比率としては、機種共通が7割、マルチコプター・シングルコプター・飛行機に関するものがそれぞれ1割ずつという印象でした。一等と二等の大きな違いとしては、一等では二等の出題範囲に加えて、計算問題5問とリスク管理に関するシナリオベースの問題が8問出題されました。

続いて合格へのキーポイントをご紹介します。二等合格へのポイントは、「回答スピード」です。30分で50問を回答しなければならないので、1問あたり30秒程度しかありません。また、問題文と選択肢は文章量が多かったという点と、初受験のため出題傾向に慣れていないという点からも、この持ち時間は非常に短く感じました。そこで、画面に表示されるタイマーを活用し、残り時間と問題数を常に把握することをおススメします。また、2分考えて分からなければその問題は諦めて、次の問題に進みましょう。とにかく「文章を速く読む」ことと、「難しい問題は捨てる」ことで回答スピードを最大化させることがポイントです。一等合格へのポイントは、「機種別問題」と「計算問題」です。マルチコプターに関する問題は皆さんおなじみかと思いますが、シングルコプターと飛行機に関する問題も出題されます。以下「事前学習方法」の項目でもご紹介する「教則」を参考に、シングルコプターと飛行機に関する項目を重点的に勉強することをおススメします。また、一等合格への最大の難関が「計算問題」です。教則に載っている公式を暗記しておくことは大前提ですが、試験終盤で公式を忘れてしまうことがないよう、試験開始直後にメモ用紙に公式を書き出し、計算問題から回答することをおススメします。さらに、CBT画面上の計算機の使い方も、事前練習しておきましょう。

最後に、事前学習方法を2つご紹介します。学科試験問題は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則」から出題されます。

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まず1つめは、この教則を読み込むこと、一等の場合はさらに教則に記載された公式を覚えることです。この教則だけでは完璧ではないので、必要によりネット検索することもあるかと思いますが、基本的には「教則」だけしっかり理解しておけば、合格へ導いてくれます。2つめは、CBTの計算機を使ってサンプル問題で練習しておくことです。CBTの計算機は√の使い方が通常の電卓と異なります。そこで、試験申し込み後にプロメトリック社から送られてくるURLにアクセスし、CBT体験版で操作しておくことをおススメします。

以上、私の体験が皆様の事前準備の一助となること、そして何よりも皆様の合格を願っております。国家ライセンス取得に関するお悩み、ご相談がありましたら、下記までお気軽にご連絡ください。

JDA東京 林 賢太 k.hayashi@alldrones.org